2011年10月22日土曜日

逆境を逆手に: 転校生の強み

最近は、「はやぶさ」と「宇宙兄弟」の影響で、
宇宙ものにはまっています。


昔見た、NHKスペシャルで宇宙飛行士の
選抜試験をやっていて、過酷なことやっているなぁと
思ったのを覚えています。

密室空間に1週間ほど詰め込まれて、
色んなプレッシャーを与えて、競わせて、
四六時中監視して、試験していました。

今回紹介する本より抜粋します。

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宇宙飛行士の大西卓哉さんは、小学校の頃、
父親の仕事の関係で転勤が多く、4度も転校を
経験している。


大西はこの時期に、「冷静さ」を培った。
どんな環境であってもなじめるよう、
常に周囲を分析し、冷静に行動するという
習慣を身につけたのである。


宇宙飛行士選抜試験の序盤での大西は、
あまり目立っていない。
私たち(テレビクルー)も当初から大西
に注目していたわけではなかった。


頭脳明晰で爽やかな好青年だが、感情の
起伏がわかりづらく、テレビ的に惹かれる
人間臭さを感じなかったからだ。


能力の高いパイロットが多くいたこともあり、
その印象は薄かった。


だが、一方で、どの課題もそつなくこなし、
審査委員たちの評価は決して悪くなかった。
むしろ、ストレスの高い環境下でも、
安定した能力を発揮できる人物と見られていた。


(「ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験」より)
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僕は転校したことがないから、転校生の
気持ちが分からないけど、憧れがありました。


転校したことがある友達に聞くと、
みなさん、「転校は嫌だった」と話してくれます。


母校がない、幼なじみがいない、同窓会がない、
共通の思いで話ができないなどなど、
かわいそうだなぁ。。。と思いましたが、
でも、その中でも強みってあるんだなぁ。。と
大西宇宙飛行士のエピソードを読んで
気付かされました。


転校生は悲哀はこちらへ:








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「ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験」より:


「パイロットをしているとき、条件が揃わなかった場合には、
 物事を中断する勇気を持つことも必要だという経験を
 味わってきました。

 一つのことをあきらめずにどんどんやっていくというのは
 一見、積極的で勇ましく思えますが、そうではない。

 やはり状況が整わないときには、これは”できない”ということも
 あり得る。

 だからこそ、取り組むべき問題自体を切り捨てる
 というのも、私は一種の勇気だと思っていました。」


「宇宙飛行士は、何もスーパーマンである必要はないと
 私は思う。


 例えば、しばしば宇宙飛行士は体が頑丈だとか
 言われるけれども、オリンピックで金メダルを取る
 わけではないから、何か一つのことにものすごく
 長けていなくてもいい。


 語学にしても、同時通訳をしている人たちの
 ほうが上だと思うし、健康にしても筋肉マンで
 すごい力がある必要はない。

 
 宇宙飛行士に求められているのは、数々の
 審査で、すべて合格点を取らなければならないと
 いうこと。

 
 すべての項目で60点を取るというのは意外と
 難しいんですよ、健康面も含めて。


 100点じゃないくてもいいんだけど、50点じゃだめ。
 勉強も運動も精神・心理も、すべてバランスよく
 合格点を取らなければならないんです。」
 (向井千秋さん)



「宇宙飛行士は待つのが仕事だ」
 と語ったNASA関係者もいた。

宇宙飛行の機会は、自分では
どうすることもできない。

いつか自分のもとに舞い込んで
くるのを辛抱強く待ち続けなければ
ならないのだ。

それまではひたすら、技量を上げる
ための訓練と健康管理の日々である。
p204



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