ジグ・ジグラーの本より第2弾!!
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新聞の切り抜きに『カトリック・ダイジェスト』のメアリーの一文が
見つかった。それは何年も前に書かれた文章だが、今でもいろいろなことを
教えてくれる。メアリーがマンハッタンで暮らしていたときの話だ。
子供のころメアリーは、毎朝4ブロック先の学校まで母親と一緒に歩いて行き、
午後になるとまた母親に迎えに来てもらい、一緒に家へ帰っていた。
厳しい冬のある日、母親が肺炎にかかってしまったため、メアリーは
ひとりで行ってひとりで帰ってこなければならなかった。
二日目の帰り道、道を渡っているときに氷の上で転んだ。
その瞬間車がスリップして、メアリーまでわずか数センチというところで
ようやく止まった。
「どうにか家へ帰ったけど、ママには黙っていたの。心配をかけたくなかったから」
とメアリーは語っている。
翌朝、道はもっとすべりやすくなっていた。最初の交差点に差し掛かったとき、
メアリーは怖くなって長い間立ちすくんでいたという。しばらくしてから、
たまたま通りかかった年配の女性がメアリーにこう言った。
「私、目があまりよくないの。道を渡るときに手を握らせてもらっていいかしら」
メアリーは「ええ、どうぞ」と答えた。その女性はメアリーの手を取り、ふたりは
「あっと言う間に道路の反対側についていた」
メアリーはちょっと歩いてから、さっきの女性は大丈夫かしらと思い、振り返った。
驚いたことにその女性は今渡ったばかりの道をまた渡って、前よりも速い速度で歩いていた。
その時、その女性が目の悪いふりをして道路を渡るのを手伝ってくれたことに気付いた。
のちにメアリーは、だれかを助けることで自分自身の恐怖心に打ち勝つことができるのだと
分かったという。
時を超えた素晴らしいアドバイスがこもっている。
p64
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