2011年11月29日火曜日

カーネル・サンダースのお話 2

カーネルおじさんのガソリンスタンド時代の
エピソードをどうぞ。


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 カーネルのガソリンスタンドは繁盛した。
時代の波に乗ったせいもあるが、カーネルの
徹底したサービスが、人気を呼んだことも
見逃すことはできない。


 当時のケンタッキーにはハイウェイはもちろんの
こと、舗装された道路もほとんどなく、車は田舎道を
土埃りを巻き上げて走っていた。


 カーネルはガソリンスタンドに車が入ってくると
飛んでいき、いきなり車の窓をまず洗ってあげ、次に
ボンネットをあけてラジエーターの水をチェックして、
それからおもむろに

「ガソリンは必要ですか?」

と聞くのだった。


汚れた車内を掃除するために、カーネルのズボンのポケット
にはいつも小さなほうきがささっていたという。


道を尋ねに来ただけでも、車の掃除をしてあげたり、
ラジエーターの水やタイヤを点検してあげたりしたのだった。


このような徹底したサービスは、今の時代でもあまり見かけない
が、当時はもっと珍しいことだったのだ。


行きに道だけを尋ねに来た人でも、カーネルの親切に感謝して、
帰る時には多少回り道でも、カーネルのガソリンスタンドに寄って
ガソリンを入れていってくれる人も少なくなかった。


また、カーネルは質だけでなく量の面でも、
近郊のガソリンスタンドに差をつけた。


カーネルは、いつも朝の5時に店を開けていた。
他のガソリンスタンドは、店を開けるのが早いところでも
7時頃だったが、カーネルはその時間には、すでに
他の店の一日分の売り上げを上げていたのだ。


さらに毎晩カーネルは、夜9時に店を閉めた後に
タイヤの修理をしていた。終わるのが夜中の2時を
過ぎることも、めずらしくはなかったという。





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