無私の日本人: 磯田 道史
大好きな竹田和平さんの説く旦那道とは、まさにこのことだろうと
強く感じた最高の商売人が江戸時代の奥州街道の吉岡宿にいました。
ここは寂れる一方の宿場町、それに危機感を覚えたある旦那が
どうにかできないか、この町を発展させるにはどうしたらよいかと
ある商売上手な旦那に相談したところ、お金を藩に貸して、
その利子を住民で配ったらどうかというアイデアをもっていました。
それまでは、税金を少なくしてほしいとか見逃してほしいと
頼むために上納金のような形では出したことがあるけど、
藩にお金を貸し付けるなんて、とんでもない逆転の発想、
しかも、貸して利子をとるなんて、一歩間違えたら捕まるような
考え方。
まずは仲間を1人、また1人と増やしていき、
上申しては断られ、それでも諦めずに何度も何度も挑戦します。
何がすごいかというと、彼らは元手は出すけど、
利益は住民で分けると考えたこと、
そして、決してこれを自慢したりしてはいけないと
誓い合ったこと。
どうしたら、この町が発展するのかを徹底した無私の心で
取り組んだこと。
旦那道は地域にとっていかに大切かが
よーくわかりました。
大型店舗も好きですが、
地域に密着して地域と共に歩む会社やお店の
存在は本当に大切ですねぇ。。。
生涯貧乏暮らしをした儒者の中根東里
絶世の美女で歌人の大田垣蓮月
の無私の話もあります。
なんて美しい日本人がいたのかと自信が持てる
素晴らしい本でした。
歴史本や伝記本は学ぶことが多いです。
商売のヒントになるお話もいくつか出てましたよ。
著者の磯田道史さんは同じ岡山出身なので、
昔から親近感があります。
またNHK教育の歴史番組に出てくれないかなぁ。。。
素晴らしい本を有難う御座いました。
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